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sage

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  • 高リスクにおけるIMRTと小線源の比較

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  • 投稿日:2015年12月12日(土)12時59分31秒
  • 編集済
 
2014年10月22日に投稿しましたIMRT vs brachytherapyで愛知県がんセンターの富田先生の論文と東京医療センターの矢木先生の報告を比較した記事を投稿しました。その最後に次のように書きました。

また、治療実績の高リスクの割合をふまえ、両者を比較する限り、高リスクに関しては
IMRT(トモセラピー)と小線源そう変わらず、どちらかというと、IMRTが若干優位では
なかろうか。

今回、論文での比較ということで治療法別PSA非再発率の比較表 (改訂) より期間、高リスクの人数がほぼ同じである以下の二つの論文より比較してみようと思います。

A 東北大学武田先生の論文  IMRT
B 東京医療センターの矢木先生の論文  小線源


期間:2003年~2008年
高リスク 人数
A:105人
B:97人

5年PSA非再発率は以下のとおりです。
A
中間リスク 100%
高リスク 82.2%
B
低リスク  98.8%
中間リスク 94.9%
高リスク  86.5%

A 対 B で高リスクに関してその高リスクの患者における比率(%)を示します。 1)

GS8以上:64.8% 対 49.5%
・・・・Aでは高リスク(GS)の比率が高い
T3:63.8% 対 12.4%
・・・・Aでは病期が進行している人が多い

内容としてはA(IMRT)のほうがはるかにリスクの高い患者に対して治療を行っているということです。更に、AのほうはPSAが20以上の数は48人であり、高リスク中45.7%を占めています。Bの方はPSAが20以上の数は明記されていません。

Aでは高リスクの因子複数以上の患者はある程度存在し、BはGSに関しての情報がないので、はっきりしたことは言えませんが、高リスクの因子を2または3持つ場合はそう多くはないと思われます。 2)

高リスク因子が複数(2,または3)ある場合で示したように高リスクで因子が複数ある場合、PSA非再発率は低い値となります。複数因子を持つ患者が少ない場合、高リスクのPSA非再発率はいい値となります。

5年PSA非再発率に関してAのIMRT治療のほうがBの小線源治療より少し低い値となっていますが、患者のリスク因子を考慮すると必ずしも劣っていると言い切ることはできないと思います。
また、この二つの論文を比較した限り、IMRTは小線源より症状に関して幅ひろく対応しているかと思います。小線源の場合、選択バイアスがあったとまではいえないですが、結果としてより高いリスクの患者に対して治療を行っていなかったということになります。

なお、最近閲覧し、コピーした泌尿器外科 28巻 8号の昭和大学のTrimodality therapyの論文は複数因子を持つ患者が幾分か多い場合の例です。  3)

1) Aの場合、Table 1 Patient characteristicsより、以下の計算で割合は求められる。
GS8以上 68/105 = 0.648
T3  67/105 = 0.638
 Bの場合、論文のTable 2 患者背景より以下の計算で求められる。
GS8以上 48/97 = 0.495
T3  12/97 = 0.124

2) TRIP試験で紹介しました東京医療センターまたは国立病院機構 埼玉病院で治療を受けた206人の高リスクの患者の割合と因子の数を論文のTable 1 Clinical, treatment and dosimetric parameters より、以下に示します。

GS8以上 126 (61.2%)
T3a 18 (8.6%)
PSA20以上 81 (39.3%)
リスク因子 1 186 (90.3%)
リスク因子 2  19 (9.2%)
リスク因子 3  1 (0.5%)

5年PSA非再発率
・高リスク  84.8%

3) 昭和大学の森田先生の以下の論文
森田將*1他 ハイリスク限局性前立腺がんに対するTrimodality therapyの治療成績
泌尿器外科 28(8): 1323 -1324 2015
*1 昭和大学江東豊洲病院外科系診療センター泌尿器科

期間:2005年~2014年
高リスク 95人

GS 8以上  74.8%
T3以上    15.8%
PSA 20 以上 36.8%

2つ以上の高リスク因子 23.2%
すべてが高リスク因子  5.3%

9年PSA非再発率
92.0%


同様に IMRT 対 小線源 で割合を示すと以下のようになります。

GS8以上: 64.8% 対 74.8%
T3: 63.8% 対 15.8%
PSA 20 以上: 45.7% 対 36.8%


http://flot.blue.coocan.jp/cure/