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sage

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  • TRIP試験

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  • 投稿日:2015年12月11日(金)07時29分52秒
  • 編集済
 
2015年2月25日に高リスクに対するTri-Modality療法実施病院一覧という表題でTRIP試験に関する論文のAcknowledgementsより試験参加病院を高リスクに対して対応の可能性のある病院ということで投稿しました。


今回、3か月毎の診察に病院へ行った際、附属の図書館で泌尿器外科 28巻 8号を閲覧し、次の第30回 前立腺シンポジウムの発表に関する報告の記事をコピーしましたので、病院名他の情報の訂正、追記を行います。

表題他は以下のとおり。
小中弘之*1他 進行中の多施設共同オープンラベルランダム化比較試験 (TRIP試験)
泌尿器外科 28(8): 1437 -1440 2015
*1金沢大学大学院医学系研究科集学的治療学

TRIP試験について概要を再度説明します。

NCCNガイドラインでは以下のように書かれています。

PROS-D (1 of 2)
「高リスク群の患者では、EBRT(40~50Gy)と密封小線源治療±2~3年間の
ネオアジュバント/同時併用/アジュバントADTの併用による治療を施行して
もよい。」

MS-22
「EBRTと密封小線源治療の併用治療(場合により通常2または3年間のADTも追加
する)もまた、初回治療における選択肢の1つである。しかしながら、この状況
におけるADTの至適投与期間は依然として不明である。」

小中論文では以下のように書かれています。

「高リスク前立腺癌に対するトリモダリティ療法の有用性と、アジュバント
ホルモン療法の有無による治療成績を比較検討することを目的に、多施設共同
オープンラベルRCT、TRIP試験を実施したのでその進捗状況につき報告する。」

RCT:Randomized Controlled Trial

最初に紹介した英文の論文のに流れが示されています。
今回紹介した日本語の論文にも同じ図が掲載されていました。

1.中央病理診断で一括して病理診断を実施
2.適格な登録者を
無作為に次の2つのグループに分けられます。(1:1)n=170
長期ホルモン療法 計 30カ月 アジュバントホルモン療法24カ月
短期ホルモン療法 計 6か月
         小線源治療前の3か月のホルモン療法、小線源、外照射時の
         3か月のホルモン療法  アジュバントホルモン療法は無し

高リスクの定義は以下のとおり

下記3因子のうち1つでも満たす症例を高リスク群とする
1 前治療CAB開始前のPSA値20 ng/mL超
2 臨床病期T2cまたはT3a
3 中央病理診断のグリソンスコア8以上

すなわち、以下のように書かれています。
「TRIP試験の対象症例はD'Amicoの高リスク症例にNCCNガイドラインで定義されて
いる高リスク症例を含めたものである。」

NCCNリスク分類そのものにしなくてT2cを含めたのは参加する病院、参加する患者の幅を広げる意からだろう。ただし、結果として次のように報告されています。

「全国での参加登録施設は48施設。2010年10月より症例登録が開始されたが、
当初予定されていた症例の組入期間2年では目標症例に到達しなかったため、
登録期間が2013年3月までに延長された。最終的には、37施設から計349症例が
登録された。 」

349例に関しては、長期ホルモン群175例、短期ホルモン群 174例に分けられたとのことです。

そうして、医療機関名・科名と適格登録数が書かれている一覧表が掲載されています。この48の病院が少なくとも上記定義の高リスクの患者にトリモダリティ療法を実施しているということで参加登録したと思われます。

また、東京医療センターの斉藤先生の論文、放射線治療 Brachytherapy(小線源療法)によると、「2014年末までに全国117の施設で計約31,000例の治療が実施されている」 ということなので、この48施設というのは高リスクにトリモダリティを実施している病院のかなりの部分かと思われます。

あるいはこういったこともいえるかと私は思います。
この all Japan のTRIP試験に参加登録しないということは日本において高リスクに対してトリモダリティを実施していないということを宣言しているということになるのではないかと。

私が投稿した後にひげの父さんの投稿には以下のように書かれていました。

「この試験に参加した施設が、
トリモダリティをやっている施設の全てではないし、
必ずしもAクラスばかりが参加した臨床試験でもなさそうです。」

先に書きましたようにTRIP試験はトリモダリティをやっている施設のかなりの数が参加し様々な技量の施設が参加したと思われます。
それが、多施設で行う臨床試験の意味だと私は思います。

ただし、参加登録はしたが、適格登録者数0の病院は11という結果でした。
また、適格登録者数1の病院は8ということで、いろいろ事情はあったかと思いますが少し偏った形となったのはある意味残念です。

先投稿した高リスクに対するTri-Modality療法実施病院一覧での病院名と今回一覧表で明らかになったTRIP試験参加病院により訂正します。

「TRIP論文に記載されている病院」としてあげていて、TRIP試験に参加していない病院は埼玉医科大学国際医療センターです。Acknowledgements には T. Dokiya, MD という名前があげられていて、検索すると、Teaching Staff│Saitama Medical University Faculty of MedicineにはVisiting Professorと書かれているので、個人的な貢献だろう。

「TRIPに記載されていない病院」ということであげた滋賀医科大学、独立行政法人 国立病院機構 埼玉病院は参加登録しているということが今回分かったのでTRIP試験参加病院ということで、訂正します。
ただし、滋賀医科大学の登録数は0です。

掲載されている表より登録数5件以上の数の多い順に作成した表を示します。
この21施設の登録数の合計は319件で全体の91%です。

上記21以外の情報は私のサイトの以下のページに記載しました。
http://flot.blue.coocan.jp/cure/TRIP.html


多くの病院が自病院で、高リスクに対してのトリモダリティ療法でアジュバントホルモン療法を通常、どの程度の期間行っているかは別としてTRIP試験に参加し、至適投与期間のエビデンスをえることに協力したと思われます。

例えば、慶應義塾大学病院の大橋先生の小線源治療の論文では次のように報告されています。

2003 から 2009 年 までに東京医療センターまたは国立病院機構 埼玉病院で治療を受けた206人の患者が対象
101人(49.0%) が neoadjuvant androgen deprivation therapy (ADT) 実施
adjuvant ADT 実施者は無し

5年PSA非再発率
・高リスク  84.8%


追跡期間は症例登録日から7年ということで、先の長い話です。

http://flot.blue.coocan.jp/cure/