• [0]
  • 「論文・詳細スレッド」

  • 投稿者:武内 務@ひげの父さん
  • 投稿日:2015年 2月16日(月)15時37分35秒
 
論文などやや専門的な内容や難解と思われるもの、
及び、親掲示板では複雑と思える「詳細説明」などは、
こちらに書き込んでください。
その概略や案内は、親掲示板に判り易く書き込んで下さい。

 <思いやりのあるコミュニティ宣言>
 teacup.掲示板は、皆様の権利を守りながら、思いやり、温かみのあるコミュニティづくりを応援します。
 いつもご協力いただきありがとうございます。

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  • [28]
  • 古家先生の論文 術前にエストラサイトを服用

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 5月20日(水)11時57分28秒
 
東北4施設の手術のPSA非再発率で紹介しました弘前大学の古家先生が興味深い論文を発表していますので紹介します。

それは、Koie T, et al. Neoadjuvant luteinizing-hormone-releasing hormone agonist plus low-dose estramustine phosphate improves prostate-specific antigen-free survival in high-risk prostate cancer patients: a propensity score-matched analysis. Int J Clin Oncol. 2015 Feb 15.です。

高リスク患者に対して、手術単独治療と、手術前にLHRH agonist (ゾラデックスまたはリュープリン)とestramustine (エストラサイト)による術前療法を行った場合とを比較したものです。

以下、estramustine(EMPと表記)とLHRHを併用する療法をLHRH+EMPと表記します。

・EMPは6ヶ月間、280 mg /日を服用
・LHRH+EMPは2005から2013年に弘前大学での高リスクの患者274人、手術単独は2000年から2011年の東北4施設の高リスクの患者386人(全体は1268人)が対象
・傾向スコア (propensity score)を用いて解析するために背景を合わせた手術単独、LHRH+EMPはそれぞれ、210人

・5年PSA非再発率
LHRH+EMP 90.4 %
手術単独 65.8 %

エストラサイトの成分である抗がん剤、ナイトロジェンマスタードの効果でPSA非再発率が手術単独よりよくなったのだろうか。


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [27]
  • Bittner氏の論文 Prostate Cancer Results Study Group(PCRSG) より

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 5月17日(日)13時31分1秒
  • 編集済
 
Grimm先生らの欧米の主要な施設(Prostate Cancer Results Study Group(PCRSG))のデータにより、高リスクの前立腺がんのトリモダリティ治療の治療成績として10年PSA非再発率が90%ということがいわれます。(参照1参照2)

PCRSGのデータはPCRSGのデータで書きましたようにサイト論文のデータがあります。論文は2000年から2010までの18,000以上の論文が対象であり、サイトは2000年から2012年までの25,000以上の論文を調べた結果です。

サイトには元となる論文ははっきりしないので、論文をみてみました。

なお、Table 3.をみると、高リスクの場合、EBRT + seeds + ADT の治療の論文の個数は6であり、Seeds + EBRT は15 ということです。

Figure 3で、10年PSA非再発率が90%以上と思われるREFERENCESの番号1861及び11のabstractを読んでみました。11、18に関しては、リスク分類毎のPSA非再発率はabstractに記載されていないので、記載されている61、Bittner N, et al. Whole-pelvis radiotherapy in combination with interstitial brachytherapy: does coverage of the pelvic lymph nodes improve treatment outcome in high-risk prostate cancer? Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2010 Mar 15;76(4):1078-84. の概要を紹介します。

筆頭著者はNathan Bittner氏であり、Tacoma/Valley Radiation Oncology Centersに所属しています。

・1995年5月から2005年10月までの高リスク前立腺がん患者(グリーソンスコア8以上及び/またはPSA20以上と定義)186人が対象

・小線源治療と外相照射が併用され、外照射は全骨盤(WP)照射と ミニ骨盤 (MP)照射を行い、比較

・10年PSA非再発率
WP:91.7%
MP:84.4%

ホルモン治療(ADT)を実施した場合
WP:93.6%
MP:90.1%

ADT 無しの場合
WP:82.4%
MP:75.0%

10年PSA非再発率が90%を越えるのは条件があり、また、高リスクといってもT3は対象外です。

T3を対象にしなかったというのはAmerican Brachytherapy Society (ABS) ガイドラインで引用したように、1999年制定のガイドライン(改訂は2012年)に以下のように書かれていることが関係しているのだろうか。

Brachytherapy as a Boost to EBRT:
Stage Clinical T2b, T2c or
Grade: Gleason sum 8-10 or
PSA > 20 ng/ml


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [26]
  • 溝脇先生の論文 高リスクに対する放射線治療後のホルモン療法について

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 5月 9日(土)17時49分38秒
  • 編集済
 
京都大学、溝脇尚志先生の2012年の論文、Interim Outcomes of a High-dose Whole Pelvic IMRT for Very High-risk Group of Patients With Locally Advanced Prostate Cancerを紹介します。

対象:2006年~2009年の46人
   T3-4N0M0 (内訳 T3a: 23, T3b: 20, T4: 3)
治療法:全骨盤照射、精嚢への照射
    全員 外照射の前に実施されるホルモン療法有
       外照射後のホルモン療法無し

    PSAが4 ng/mL を超えるとサルベージホルモン療法を開始

42か月PSA非再発率
全体   78% (95%信頼区間 = 65-91%)
T3aだけ 91% (95%信頼区間 = 79-100%)
T3b/T4  64% (95%信頼区間 = 42-87%)

アジュバンド療法を実施しなくても、高リスクに対していい結果(特にT3aに対して)であったので、京都大学病院においては現在も高リスクに対して放射線治療後のホルモン療法は実施していないのでしょうか。

患者の時期が溝脇先生より少し前の京都大学の池田格先生の2013年の論文、Long-term outcomes of dynamic conformal arc irradiation combined with neoadjuvant hormonal therapy in Japanese patients with T1c-T2N0M0 prostate cancer: case series studyの概要は以下のとおりです。

対象:2003~2007年の150人
   T1c-T2N0M0

5年PSA非再発率
83.3% (95%信頼区間 = 77.1-89.6%)

Figure 2. によるリスク毎の5年PSA非再発率は次のとおり
・低リスク  96.2%
・中間リスク 84.2%
・高リスク  71.1%

小線源治療で高リスクで放射線療法後のホルモン療法、アジュバンド療法を実施しなかった事例の論文として慶應義塾大学病院の大橋先生の小線源治療の論文、Combined brachytherapy and external beam radiotherapy without adjuvant androgen deprivation therapy for high-risk prostate cancerがあります。

・2003 から 2009 年までの206人の患者が対象
・101人(49.0%) が neoadjuvant androgen deprivation therapy (ADT) 実施
・adjuvant ADT 実施者は無し

5年PSA非再発率
・高リスク  84.8%

「がんサポート」2014年3月号P.47に掲示板に何度か紹介したTRIP臨床試験(ランダム化比較試験であり、小線源、外照射後、2年ホルモン治療をする群とそうでない群を比較するもの)に関連して東京医療センターの矢木先生はこういっています。

「臨床試験の結果が出ないとはっきりしたことは言えませんが、当施設の治療成績から見ても、長期ホルモン療法と短期ホルモン療法とでは、そんなに大差がないと思っています」


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  • [25]
  • NCCNガイドライン「原則」の紹介

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 5月 9日(土)07時30分34秒
  • 編集済
 
日米欧ガイドライン比較で高リスクに関して、ガイドラインを引用しました。
それは Discussion 考察 からの引用でした。今回、PRINCIPLES 原則 より引用、紹介します。(多分、こちらのほうが原則ということなので狭い意味のガイドラインはこちらをさすと思われます)

英語、次に日本語訳をのせます。

PROS-D (1 of 2)

PRINCIPLES OF RADIATION THERAPY
Primary External Beam Radiation Therapy (EBRT)
・Patients with high-risk cancers are candidates for pelvic lymph node irradiation and the addition of neoadjuvant/concomitant/adjuvant ADT for a total of 2 to 3 y (category 1).

Primary/Salvage Brachytherapy
Patients with high-risk cancers may be treated with a combination of EBRT (40-50 Gy) and brachytherapy +- neoadjuvant/concomitant/adjuvant ADT.

放射線療法の原則
初回治療としての外照射療法(EBRT)
・高リスク群では骨盤リンパ節照射と合計2~3年間のネオアジュバント同時併用/アジュバントADTの適応がある(カテゴリー1)。

初回/救済治療としての密封小線源治療
高リスク群の患者では、EBRT(40~50Gy)と密封小線源治療+-2~3年間のネオアジュバント同時併用/アジュバントADTの併用による治療を施行してもよい。



ちなみに私が受けた臨床試験、1回2.5 Gy照射のIMRT/IGRT併用寡分割照射法に関しては以下のように書かれています。

・Moderately hypofractionated image-guided IMRT regimens (2.4 to 4 Gy per fraction over 4-6 weeks) have been tested in randomized trials reporting similar efficacy and toxicity to conventionally fractionated IMRT.They can be considered as an alternative to conventionally fractionated regimens when clinically indicated.

・中程度に分割数を減らした画像誘導IMRT(4~6週間で1回線量2.4~4Gy)がランダム化試験で検証され、有効性と毒性が従来の分割法によるIMRTと同程度であることが報告されている。臨床的に適応がある場合は、これらを従来の分割照射の代替法として考慮することができる。


寡分割照射法と高リスクのトリモダリティ、NCCNガイドラインでの扱いの違い(お勧めの度合い)、寡分割照射法の can と トリモダリティ の may のニュアンスはどういう風に違うか、よく分かりません。


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  • [24]
  • PSA非再発率図の作成

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 5月 5日(火)12時27分24秒
  • 編集済
 
カプラン・マイヤー法によるPSA非再発率の計算でPSA非再発率の図よりPSA非再発率を計算してみました。逆に患者の再発のデータより図を作成してみようと思いました。

とはいっても実際のデータがあるわけではないので、少し極端な例を設定してみました。高橋信『すぐ読める生存時間解析』東京図書のP.29の表を参考にして作成しました。
なお、観察期間は2013年1月より2014年12月31日とし、追跡期間の長さの順に患者1より患者10の10人としました。(表1)

カプラン・マイヤー法によるPSA非再発率の計算と同様に 表2 PSA非再発率の計算(簡易表)を作成しました。

リスクのある患者数 n がどのようにして得られるか、少し煩雑になるが説明します。

8か月 当初の値 10人より治療開始が遅く6か月で追跡できなくなった患者1をひく。 10-1=9

10か月 残った9人より8か月でPSA再発した患者2及び9か月で転院した患者3をひく。 9-2=7

15か月 残った7人より10か月でPSA再発した患者4をひく。 7-1=6

なお、1年PSA非再発率は76.2%、2年PSA非再発率は63.5%です。

以上の情報を元にPSA非再発率図を作成してみました。

高橋さんの本のP.29の終わりには以下のように書かれています。

「なお、この例の「追跡期間」の単位は「月」でしたけれども、読者が自分自身のデータを分析する際には、単位が「年」でも「日」でも「時間」でもかまいません。」

カプラン・マイヤー法によるPSA非再発率の計算で言及した昭和大学病院のグラフに関して行われた掲示板の議論は追跡期間の単位を年としたものと思われます。
グラフはみて分かるように月を単位としています。


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  • [23]
  • カプラン・マイヤー法によるPSA非再発率の計算

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 4月30日(木)19時54分56秒
  • 編集済
 
今まで、PSA非再発率に関して医学論文を紹介してきました。医学論文においては、通常、カプラン・マイヤー法(Kaplan-Meier method)が使われます。

勝俣範之『「抗がん剤は効かない」の罪』の投稿で勝俣先生のカプラン・マイヤー法に関する説明を紹介しました。再掲します。


がん患者の生存曲線は「カプランマイヤー法」という方法で描かれるが、"真の生存曲線"ではなく、"推定生存曲線"であるということ。

累積生存率の95%信頼区間の上限値を繋いだものと、95%信頼区間の下限値を繋いだものを図表すると、かなり幅があることがわかり、「カプランマイヤー法」で表される曲線を"真の生存曲線"と誤解しないことが必要。

追跡不能となったのは「打ち切り」例として表示するが、打ち切り例は、生存曲線に縦棒としてあらわす。

最後の部分がすとんと落ちるグラフは、たくさんの患者が亡くなったことを意味するのではなく、最も長く追跡された患者さんひとりが亡くなったことを示す。

生存期間の最後のほうは、追跡患者が少なくなるために生存曲線の形が変わりやすく、医学的には"累積生存率の信頼区間の幅が広くなる"


生存曲線を導き出す方法がどうして再発率を導き出すのに使用されるかに関しては以下に書かれていることが端的です。    1)


カプランマイヤー法を使用するためには,2種類のデータが必要となります。1つは「死亡」や「生存」などのアウトカムが起こったかどうかを表す2値のデータで,2値であればどんなものでも構いません。例えば,がんの罹患,再発,人工透析の有無,入院,退院など,使用されるアウトカムはさまざまです。

もう1つ必要なのは時間のデータです。時間のデータとは,アウトカムが起こった被験者ではアウトカムの起こった時間,アウトカムが起こらなかった被験者では追跡中に被験者が観察された最後の時間を指します。後者のデータは「中途打ち切り(Censor)されたデータ」と呼ばれます。

カプランマイヤー曲線で,Y軸上に"生存率"として表されている値は,正確には"累積生存率"と呼ばれ,その時点で患者が生存している確率を表します。


従って、以下、説明では生存、死亡で記述されていることは、「PSA非再発」、「PSA再発」とよみかえて、特に問題ありません。

カプラン・マイヤー法は、以下のように定式化されます。  2)


t = 治療開始から死亡までの時間(生存期間)
n = その期間当初の生存数
r = その期間の死亡数
n-r = その期間終了時点での生存数
このように定義すると以下のような式となる。
r/n = その期間での死亡割合
1-r/n = (n-r)/n = その期間での生存割合
S(t)= S(t-1)×(1-r/n) = その期間での累積生存割合(累積生存率)

式としては、上記でつくされています。

前立腺がんののPSA非再発率はtの単位は月が多いです。
例えば、5か月PSA非再発率(累積PSA非再発率)は次のようになります。
S(5)=S(4)×(1-r/n)

もっとも、鶴崎先生の論文で紹介した論文の図5では術後観察期間(日)となっています。

Censorに関して、追跡不可能となった患者だけではないことは以下の記述に明確に述べられています。  3)


1年前、あるいはつい先月から経過観察し始めた人もいる。現実的に生存を永遠に追跡することはできないので、いつかは中止しなくてはならない。よって通常経過途中の患者さんがでてくる。治療後4年経っている患者さんの再発は少ないかもしれないが、治療後1ヶ月の人は今後再発するかどうか全くわからない。それではこれらのデータを捨ててしまうのか。それはもったいない話である。それではこれらをセンサーという特別な扱いでデータに残すことにしよう。センサーには経過途中で観察が中止になった場合に加え、外来に来なくなってしまって観察できない場合もセンサーと考えることができる。

とこれだけではなんとなく、ぴんとこないので、まずは簡単な例から。
2014/12/06にサイトの生存率で紹介した生存率のデータを正しく理解するためにの例を以下に引用します。


例えば,10例の対象患者で,1例目が1ヵ月目に死亡,2例目が2ヵ月後に死亡,3例目は3ヵ月生存を確認したが,現在追跡中で不明,4例目は4ヵ月後に死亡という場合には,1ヵ月生存率は(10-1)/10(90%),2ヵ月後は9例が対象となりますので,1~2ヵ月の間の生存率は(9-1)/9となります。2ヵ月生存率は(9/10)×(8/9)=8/10(80%)になります。

本来なら次の時点の計算の対象となる例は8例ですが,3ヵ月まで生存が確認され,それ以降は不明の場合には,計算から除外しますので7例中6例が生存していると計算し,4ヵ月生存率は(9/10)×(8/9)×(6/7)=0.685(68.5%)と計算されます。

不明例がその時点で死亡している場合には,4ヵ月生存率は6/10(60.0%)ですし,生存していて十分に観察期間があれば4ヵ月生存率は7/10(70%)となります。
Kaplan-Meier法での計算した4ヵ月生存率は68.5%ですが,その時点で死亡している場合には60%となるということになります。

とここまで、準備をしてきたところで、論文ではないですが、以前、掲示板で議論となった昭和大学の中高リスク症例にも併用療法で優れた治療成績に掲載されているPSA非再発率の図を計算してみます。

なお、拡大した図をアップロードします。
再発時のみを対象とした表を用いて計算結果をしめします。表はベス・ドーソン、ロバート・G.トラップ『医学統計データを読む 医学・医療に必要な統計学活用法 第3版』メディカル・サイエンス・インターナショナルのP.241を参考にしました。
表を同様にアップロードします。

53ヵ月から5年、60ヵ月まで、PSA再発はないので、5年PSA非再発率は90.1%となります。
リスクのある患者数は階段状になりPSA再発を含むところまでのPSA再発していない患者数であり、落ちる前の直線上の最初の患者の数から縦棒の数を引いたものです。

サイトの表では5年PSA非再発率は91.1%であり、上記の計算結果、90.1%とは一致しない。ただし、図を拡大(10%を3cmぐらいに)して図上、再発時、各々、97.5%、94%であることは確認し、最後も約90%であることは確認しました。


北海道大学の清水先生の論文で紹介しました北海道大学の清水伸一准教授の論文、Full textのFigure 2.の大きい図よりPSA非再発率を計算してみます。

中間リスクに関し、人数を気合いで数え、以下のような計算となります。

3年PSA非再発率
29/30*33/34 = 0.938 (93.8%)

5年PSA非再発率
15/16*21/22*29/30*33/34 = 0.8396 (83.96%)

これは論文で書かれている3年PSA非再発率5年93.8%、PSA非再発率84.0%と一致します。

黒丸の見方ですがが、再発で階段状になる前までは、各々のリスク、同一線の上に表現されます。一番上の低リスク、最終的に72か月で16となり、観察終了です。ただし、高リスク、最初の再発があった後も多分、スペースの関係か同一線上に表現されています。


この論文では、PSA非再発率の95%信頼帯(confidence band)を実線表示した上下に破線で示しています。時間がたつと帯は広がっていきます。




1) 新谷歩(米国ヴァンダービルト大学准教授・医療統計学) 今日から使える医療統計学講座 【Lesson12(最終回)】カプランマイヤー曲線


2) 原野悟(日本大学)疫学概論 Lesson 8 その他の生存分析
原野先生の疫学概論は医学情報教育研究委員会OPEN教材科目一覧よりリンクされています。

3) 浦島充佳(東京慈恵会医科大学)カプランマイヤー生存曲線
なお、このPDFファイルは浦島充佳 学術記事よりリンクされています。


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [22]
  • 間欠療法、交代療法資料

  • 投稿者:GANBA-SETA
  • 投稿日:2015年 4月30日(木)15時57分57秒
 
下記の資料は「がんサポート」資料のコピーです。

間欠療法、交代療法、そして「効かない抗がん剤」に突破口が開かれた 再燃前立腺がんの最新治療
Posted By admin On 2013年4月1日 @ 9:51 AM In | No Comments


大阪大学病院泌尿器科講師の
西村和郎さん
効くホルモン療法が効かなくなってくると、前立腺がんは別の顔を見せるようになる。困難でやっかいな面だ。
昔は有効な治療法がなかったが、最近は少しずつだが、優れた治療法が登場してきている。その新しい治療法を紹介しよう。


[ホルモン療法の経過]
前立腺がんは、一般的には比較的進行が遅く、ホルモン療法もよく効き、コントロールのしやすいがんとされている。

しかし、このがんの最大の問題は、そのホルモン療法でがんが完全に死滅することはなく、数年のうちにホルモン療法が効かなくなり、がんが再燃(残ったがんが再び増殖に転じてくること)してくることだ。そしてホルモン療法が効かなくなってくると、途端にやっかいながんへと変貌する。なかなか有効な手立てがなく、昔は緩和的な処置をするのがせいぜいだった。

そんななか、最近は、少しずつだが有効な治療法が出てきている。ここでは、その新しい治療法を紹介していこう。

ホルモン療法を中止する治療法

[間欠的ホルモン療法]
まず1つは、このホルモン療法が効かなくなるのを少しでも先延ばしにできないかと新しい試みが出てきている。間欠的ホルモン療法と呼ばれる治療法だ。

ホルモン療法を行うと、効果が現れPSA値(前立腺特異抗原)が下がる。下がりきったら治療を止める。すると今度は徐々にPSA値が再上昇してくる。ある程度上がったところでホルモン療法を再開する。これをくり返していく治療法だ。通常、ホルモン療法は男性ホルモンの産生を迎える薬(LH-RHアゴニスト)を主体として、男性ホルモンの作用をブロックする薬(抗アンドロゲン剤)を組み合わせて行う。

再燃前立腺がんに対する治療法の臨床応用に精力的に取り組んでいる大阪大学病院泌尿器科講師の西村和郎さんは言う。

「抗アンドロゲン剤除去症候群といって、抗アンドロゲン剤を中止することによってPSA値が下がったり転移巣が小さくなったりするんです。抗アンドロゲン剤にはステロイド性と非ステロイド性がありますが、とくにステロイド性の抗アンドロゲン剤では、初めは効果を上げていたものが、いつの間にか男性ホルモンと同じようにがんを増殖させるようになると考えられています。したがって、抗アンドロゲン剤を中止すれば、その悪い作用がなくなり、PSA値や症状が改善されると考えられるわけです。
一方、動物実験では、間欠的ホルモン療法によりホルモンが効かなくなるまでの期間が延長できることが確認されており、人においても同様の効果が期待されています。まだ結論は出ていませんが、少なくとも治療を中断している間は副作用が出ないメリットがあります」

ちなみに、再燃前立腺がんに対する治療に積極的に取り組んでいる医療機関はそう多くはない。阪大以外では、千葉大学病院泌尿器科や横浜市立大学病院泌尿器科などが代表的だ。

抗アンドロゲン剤を切り替える治療法

[抗アンドロゲン剤交代療法の1例]
ところで、抗アンドロゲン剤を中止しても効果が現れない場合もある。このような場合は、別の抗アンドロゲン剤に変更してみる。これが、抗アンドロゲン剤交代療法と呼ばれる治療法だ。

例えば最初に使用していたステロイド性抗アンドロゲン剤を中止し、非ステロイド性抗アンドロゲン剤に切り替えるというものだ。非ステロイド性抗アンドロゲン剤は、日本では2種類あり、これら2剤の切り替えも有効性が報告されている。

「ステロイド性抗アンドロゲン剤は有効性がそんなに高くないことから、欧米では非ステロイド性抗アンドロゲン剤が主流となっていますし、日本でもこれが最近多くなってきています」(西村さん)

しかし、抗アンドロゲン剤を切り替えても効かなくなったら、どうするか。今度は抗がん剤を使うのがよいという。

「あるいは、前立腺がんの進行が非常に速い場合は、抗アンドロゲン剤よりも、いち早く抗がん剤を使ったほうがいいですね」(西村さん)

もっとも、この場合、正しくは、ホルモン療法から抗がん剤に切り替えるのではなく、ホルモン療法に、新たに抗がん剤を加えるというものだ。つまり、男性ホルモンのレベルは抑えておいて、抗がん剤を効かせるわけだ。

[前立腺とホルモン分泌の関係]
  LH-RH(黄体化ホルモン 放出ホルモン)=脳下垂体に働きかけて精巣への指令を出させる
  LH(黄体化ホルモン)=精巣に働きかけて男性ホルモンを分泌させる
  CRH(副腎皮質刺激ホルモン 放出ホルモン)=脳下垂体を刺激して副腎皮質への指令を出させる
  ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)=副腎皮質を刺激して男性ホルモンを分泌させる

「効かない抗がん剤」に道が切り開かれた

再燃前立腺がん治療のキードラッグになりつつあるタキソテール
実はこれまで、前立腺がんではホルモン療法は効いても、抗がん剤は効かないとされてきた。しかし、この閉ざされた壁に1つの風穴を空けた薬がある。タキソテール(一般名ドセタキセル)という抗がん剤だ。

ホルモン療法が効かない転移性前立腺がん患者1006人に対して、抗がん剤のノバントロン(一般名ミトキサントロン)とタキソテールのどちらが優れているか、臨床試験が行われ、その結果が2004年に医学誌『ニューイングランドジャーナル・オブ・メディスン』に発表された。

ノバントロンは、日本では前立腺がんに対してまだ承認されていないが、欧米では骨転移の痛みを和らげるなど、症状緩和作用が認められ、標準薬の1つになっている。そしてすべての患者に対して副腎皮質ホルモンのプレドニン(一般名プレドニゾロン)が併用されている。プレドニンは、抗がん剤を使用する際の吐き気止めによく使われるが、前立腺がんでは少量持続投与の形でよく使われている。

それによると、ノバントロン群よりもタキソテール群のほうが延命効果で優れており、また痛みやPSA値、QOL(生活の質)に関しても改善されるという。

「生存期間(中央値)の延長は3カ月という短い期間ではありますが、前立腺がんに対する抗がん剤としては初めて延命効果が実証されたわけで、その点でこの薬は画期的といえます」(西村さん)

その結果を得て、欧米ではタキソテールとプレドニンの併用療法がホルモン不応性(効かない)転移性前立腺がんに対する治療法として承認されるに至っている。

タキソテールを軸にした3剤併用

こうしてホルモン療法の効かなくなった前立腺がんに対して、また新しい道が切り開かれることになったが、大阪大学病院では、さらに工夫を行い、新しい組み合わせによる抗がん剤治療に取り組んでいる。

先のタキソテールを軸に、エストラサイト(一般名エストラムスチンナトリウム)、デカドロン(一般名デキサメタゾン)の3剤を併用するという治療法だ。

なぜこのような組み合わせになったのか、少し説明が必要だろう。詳細は省くが、西村さんは「海外で行われた臨床試験のデータをもとに考えた」という。

まず、タキソテールについては、乳がんでの実績を参考にした。乳がんでは、従来の3週に1度投与するより、週1回投与するほうが有効性が高く、副作用が少ないという結果が出ている。これをもとに、西村さんは外来で安全に投与できる治療として、週ごとに投与するのを2週続けて行い、1週休薬するという方法を考え出した。

エストラサイトは、女性ホルモンのエストラジオールと抗がん剤のナイトロジェンマスタードを合剤にしたもの。

女性ホルモンの作用は一般的に男性ホルモンよりも強く、脳の下垂体や副腎に作用して男性ホルモンの作用を抑える。前立腺がんでは、この作用を利用して広く利用されてきた。

しかし、この女性ホルモンには血栓ができやすいという難点がある。血栓ができると肺塞栓という非常に重篤な合併症を起こす。脳梗塞や脳血栓、心筋梗塞のリスクも高くなる。そこで、西村さんらは、こうした合併症が致命傷になりかねないので前立腺がん治療には女性ホルモンは使わない方針をとっている。したがって、女性ホルモンの一種であるエストラサイトについても、「タキソテールの効果を上げるために使うが、合併症の危険性があるので最小限の量にしたのです」という。

デカドロンはステロイド剤の一種で、タキソテールの副作用を抑えるために使用する。「海外では副作用対策にはプレドニンを使うのが一般的ですが、デカドロンにはそれ以外に、われわれの経験上ですが抗腫瘍効果も持っていると考え、その効果もねらって、デカドロンを組み合わせたのです」(西村さん)

[ホルモン療法で使われる主な薬剤リスト]
薬剤名(商品名/一般名) 投与方法
LH-RHアゴニスト剤
リュープリン(酢酸リュープロレリン) 3カ月ごとに皮下注射
ゾラデックス(酢酸ゴセレリン) 3カ月ごとに皮下注射
抗アンドロゲン剤
非ステロイド系
カソデックス(ビカルタミド) 内服
オダイン(フルタミド) 内服
ステロイド系
プロスタール(酢酸クロルマジノン) 内服
女性ホルモン剤等
エストラサイト(リン酸エストラムスチンナトリウム) 内服
ステロイド剤
デカドロン(デキサメタゾン) 内服
プレドニン(プレドニゾロン) 内服
PSA値が50%以下になるのが半分

というわけだが、この3剤併用の治療の結果はどうか。西村さんはこう答える。

「まだ結果をまとめていませんが、効果が出る人と出ない人とで個人差がありますね。効く人は3年以上効いていますし、効かない人では、2、3カ月で効かなくなる人もいます。効果の目安と言われている、治療前に比べてPSA値が50パーセント以下になる人が約半数ぐらいいます。ホルモン療法が効かなくなった患者さんに対する治療であることを考えれば、かなり有望とは思います」

ここで、タキソテールを用いた治療の1例を見ておこう。

前立腺がんになったことから精巣摘除術(去勢手術)を受けた65歳の男性の場合だ。手術後8年ぐらいは何もなかった。「もう大丈夫だろう」と思っていたところへ、骨転移が起こった。それも脊椎や肋骨などへの多発性骨転移だ。

すでに前記のエストラサイトを飲んでいたが、あまり効いていなかった。

そこで、西村さんは、タキソテールの少量投与を追加する治療を開始した。するとしばらくしてまず骨転移による痛みが消え、次いで転移巣の一部も消失した。50あったPSA値も一桁の1~2に下がった。すでに2年以上経過しているが、骨シンチグラフィ上では一部集積部分が見られるが転移巣は大きくなっておらず、元気に通院している。抗がん剤の副作用として、脱毛や涙が出る、爪が変形するなど出ているが、日常生活に支障を来すことはなかったという。

この1例を挙げるまでもなく、西村さんは「今やこのタキソテールが再燃前立腺がん治療におけるキードラッグになりつつある」という。もっとも、臨床試験の結果を見るかぎり、タキソテール単剤ではがんを消失させるほどの力はない。したがって他の薬剤と併用する上においてのキードラッグというわけだ。

このことは、海外での臨床試験の動向を見ればより明瞭になってくる。

海外ではサリドマイドやビタミンDも

日本ではまだ未承認で保険診療では使えないが、参考までに最近海外で有望視されている再燃前立腺がんに対する新しい治療法を2つ紹介しておこう。そのいずれにもタキソテールが併用されている。

まず1つは、サリドマイドとタキソテールの併用療法だ。

サリドマイドは、すでに血液がんの一種である多発性骨髄腫では標準治療薬の1つになっており、現在、海外ではさまざまながんで臨床試験が行われている。

前立腺がんでは、サリドマイド単独とタキソテールとの併用とを比較する臨床試験が行われた。サリドマイド単剤でも抗腫瘍効果が認められているが、十分ではないので、有効性のある抗がん剤との組み合わせを考えて出された治療法だ。その結果、併用療法で非再発期間と生存期間が延長したという報告があり、期待されている。

もう1つは、高用量ビタミンDとタキソテールの併用療法だ。

ビタミンDは、実験ではがん細胞の細胞周期を止めるとか、分化を誘導するなどの作用が明らかになっているが、本当の作用機序はまだよくわかっていない。ただ、海外の臨床試験では、この組み合わせの治療のほうがタキソテール単剤よりも非常によく効いたとの報告があるので、有望という。

ただし、ビタミンDには結石などの合併症が起きる恐れもあるので、注意する必要はある。

このように、ホルモン療法が効かなくなった再燃前立腺がんに対する治療は、まだ“混沌”としている。新しい治療法といっても、必ずしもいい効果ばかりとは限らない。その点を考慮・熟慮した上で、治療を選択する必要があることを付記しておきたい。


Article printed from がんサポート: http://gansupport.jp

URL to article: http://gansupport.jp/article/cancer/prostate/2729.html


  • [21]
  • 治療法別PSA非再発率の図

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 4月25日(土)19時02分25秒
 
Peter Grimm さんらの治療成績の情報はPCRSGのデータということで、サイトの情報と論文の内容に関して、投稿しました。

その時点では、全文は無料でみることはできませんでしたが、今はfull textを読むことが可能となったようです。全部を熟読する元気はないですが、Table 3.  Number of patients in each treatment group and according to risk group category で数を確認してみました。中間リスクに関しては手術の論文の数は4、Seeds + EBRTに関しては6、HDRは4と必ずしもすべて、10件以上でないことがわかりました。図に付記されている番号は論文の番号で、REFERENCESで参照できるということのようです。

ということもあり、折角20論文、集めて治療法別PSA非再発率の比較表 (改訂)で一覧表として整理したので、Prostate Cancer Results Study Group の図ににせて作図してみました。件数も少なく主に5年PSA非再発率の値しかないので、あまり意味はないかもしれないですが。


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [20]
  • 治療法別PSA非再発率の比較表 (改訂)

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 4月24日(金)14時03分11秒
 
奈良県立医科大学の田中先生の論文を追加したことに対する改訂です。
サイトの表の表示を分割して掲示します。論文著者の所属名も掲載となります。

* 10はcT1c-2cN0M0
** リスク分類は下記以外すべて、NCCNリスク分類です。
  9,14,15は不明 (本文には書かれていると思いますが有料なのでアクセスしていません)
  10,13,17,18,19 は D'Amico リスク分類。


各論文は以下のとおりです。

1. Tomita N, et al. J Cancer Res Clin Oncol. 2012 Nov;138(11):1931-6.

2. Takeda K, et al. Radiat Oncol. 2012 Jul 6;7:105.

3. 河野直明他 滋賀医大誌 26(1), 6-12, 2013

4. Shimizu S, et al. Radiat Oncol. 2014 May 21;9:118.

5.  Kobayashi M, et al. Int J Urol. 2015 Feb 11.

6. 矢木康人他 Japanese Journal of Endourology(2013)26:176-181

7. Ohashi T, et al. Radiat Oncol. 2014 Jan 9;9:13.

8. Sekiguchi A, et al J Radiat Res. 2014 Mar 1;55(2):328-33.

9. Kimura T, et al. int J Urol. 2014 May;21(5):473-8.

10.Tanaka N, et al. Radiat Oncol. 2014 May 6;9:107.

11. Hayashi N, et al. World J Urol. 2015 Jan 23.

12. Yamada Y, et al. Brachytherapy. 2015 Mar-Apr;14(2):118-23.

13. 坂本直孝他 日本泌尿器科学会雑誌 Vol. 102 (2011) No. 4 p. 621-627

14. Yoshioka Y, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2011 Jun 1;80(2):469-75.

15. Yoshioka Y, et al. Radiother Oncol. 2014 Jan;110(1):114-9.

16. Ishiyama H, et al. J Radiat Res. 2014 May;55(3):509-17.

17. Makino T, et al. Anticancer Res. 2015 Mar;35(3):1723-8.

18. Kita Y, et al. Hinyokika Kiyo. 2012 Jul;58(7):319-24.

19. 鶴崎俊文他 日泌尿会誌 104(3):496~504,2013

20. Koie T, et al. Int J Urol. 2015 Jan;22(1):70-3.


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [19]
  • (無題)

  • 投稿者:GANBA-SETA
  • 投稿日:2015年 4月21日(火)22時00分33秒
 
下記の資料は「海外癌医療情報リファレンス」からのコピーです。


立腺癌の標準治療が癌の転移を促進する可能性/ジョンズホプキンス大学

2007年10月23日

前立腺癌の標準治療は癌の転移を促進する可能性
ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンター*
2007年10月1日
?この研究結果によりアンドロゲン枯渇療法が変更されることもあるかもしれない
アンドロゲン枯渇療法と呼ばれる前立腺癌の一般的な治療法によって、あるタンパク質の産生が前立腺の癌細胞内で亢進し、そのタンパク質の作用によって癌細胞が体中に広がりやすくなる可能性があると、ジョンズホプキンス大学の研究者らが行った新しい研究で示唆された。
ジョンズホプキンス大学の研究者らは、今回の知見によって、この致死的でもある癌に対する標準治療が将来的に変わる可能性はあるものの、自分たちの発見はいまだ非常に予備的なものに過ぎず、前立腺癌患者や医師はこの療法を中止するべきでないと注意を促している。アンドロゲン枯渇療法は腫瘍の成長を遅らせるのに有効な治療法であることを研究者らは強調する。
ジョンズホプキンス大学医学部病理学、泌尿器科学、腫瘍学の各科に所属するDavid Berman准教授らのグループは、ヒト前立腺癌培養細胞でネスチンと呼ばれるタンパク質をコードする遺伝子が活性化されているのを発見し、テストステロン抑制療法により想定外の問題が起きる可能性があることを突きとめた。
研究者らは、実際の人の前立腺癌細胞でもネスチンが産生されているかどうかを知るために、限局性前立腺癌の摘出手術を受けた男性患者から採取した細胞でネスチンの発現を評価したが、ネスチンは検出されなかった。ところが、癌細胞が前立腺の腫瘍の外に広がった転移性前立腺癌で死亡した患者から前立腺癌細胞を単離してネスチンを評価したところ、ネスチン遺伝子が活性化されていたことの確固たる証拠を発見した。
この違いは、体内のテストステロンを減らす治療法であるアンドロゲン枯渇療法が、一般的に前立腺癌が進展し転移しやすくなった場合に限り用いられることから生じたのではないかとBerman氏は推測した。
前立腺癌は一般的にテストステロンに刺激されて成長するため、アンドロゲン枯渇療法は腫瘍の成長を遅らせ、癌の勢いを弱めると考えられている。Berman氏は、癌が転移して死に至る患者はほとんど例外なくこのタイプの治療を受けたことがあると言う。
しかし、細胞からアンドロゲンを遮断することはネスチンの発現にも影響するのではないかと考えて、同氏らはアンドロゲン依存性前立腺癌細胞株で実験した。癌細胞を入れた培養液からアンドロゲンを除去したところ、細胞のネスチン産生が亢進した。
ネスチン遺伝子は細胞の成長および発達に何らかの役割を果たしているのではないかとこれまでにも示唆されてきた。そこでBerman氏らがRNA干渉と呼ばれる実験上のちょっとした妨害行為を用いてネスチン遺伝子の発現を抑制したところ、この細胞は、移動したり、細胞間を通り抜けたりする能力が、ネスチンの発現が通常である細胞より低くなることがわかった。
ネスチンの発現を抑制した前立腺癌細胞をマウスに移植した場合も、通常の前立腺癌細胞よりも体の他の部位に広がる可能性が低いことがわかった。しかし、以上の実験でネスチンの発現が腫瘍の転移にきわめて重要であるらしいことがわかった一方で、ネスチンの発現は腫瘍の増殖には影響を及ぼさなかったようである。
Berman氏は、「こうしたことから示唆されるのは、前立腺癌細胞からアンドロゲンを遮断するとネスチン濃度が上昇し、癌細胞の転移を促進する可能性があるということです」と言う。
この研究に参加したその他のジョンズホプキンス大学研究者は以下である。
M.D., G. Steven Bova, M.D., Matthew E. Nielsen, M.D., Mehsati Herawi, M.D., Ph.D., Ai-Ying Chuang, M.D., and Jonathan I. Epstein, M.D.
10月1日号のCancer Research誌に掲載されたこの研究は、米国国立衛生研究所、米国国立癌研究所、Evensen Family Foundation、German Cancer Aid Foundationから研究助成金を受けた。

  • [18]
  • 治療法別PSA非再発率の比較表

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 4月16日(木)18時26分35秒
  • 編集済
 
奈良県立医科大学の田中先生の論文を追加したことに対する改訂版を掲載しました。
http://6307.teacup.com/cap87090/bbs/t2/20

......

今まで、PSA非再発率に関して、掲示板、サイトにいくつか論文を紹介してきました。

RE:非再発率の件 投稿日:2013年 7月29日(月)00時29分59秒
http://6307.teacup.com/cap87090/bbs/3565

で以下のように書かれています。

「一例としてあげておきますと、小線源療法で最も実績の多い東京医療センターでは、
5年非再発率は、低リスク99%、中リスク95%、高リスク86% となっています。

Prostate Cancer Study Groupの調査ではさほど良くない外部照射(EBRT)も、
千葉県がんセンターのIMRTでは、
低リスク93%、中リスク98%、高リスク90% の5年非再発率を示しています。

ただし、放射線治療に関しては、施設によって大きく成績が異なるということに注意が必要です。

今後、こうした情報を徐々に集め、腺友ネットのHPでも公開できるようになれば良いと考えています。」

半年近く、情報、いろいろ調べ、集めてきましたので、その結果を分かやすく表形式でまとめてみようと思いました。

オーストラリアでIMRTによる治療を実施し、オーストラリアの他の治療法との比較を実施した Shea William Wilcox 氏の論文 Is modern external beam radiotherapy with androgen deprivation therapy still a viable alternative for prostate cancer in an era of robotic surgery and brachytherapy: A comparison of Australian series に載せられている表を参考にしました。

ただし、論文、有料のものを読んだわけではないので、無料でfull textが公開されているもの、無料でabstractが公開されているものに限定されています。
日本語の論文に関しては abstractも有料が多いです。情報として、網羅性では多分に問題あるかと思います。

なお、論文著者の所属名を書いたものをサイトに載せています。


各論文は以下のとおりです。

1. Tomita N, et al. J Cancer Res Clin Oncol. 2012 Nov;138(11):1931-6.

2. Takeda K, et al. Radiat Oncol. 2012 Jul 6;7:105.

3. 河野直明他 滋賀医大誌 26(1), 6-12, 2013

4. Shimizu S, et al. Radiat Oncol. 2014 May 21;9:118.

5.  Kobayashi M, et al. Int J Urol. 2015 Feb 11.

6. 矢木康人他 Japanese Journal of Endourology(2013)26:176-181

7. Ohashi T, et al. Radiat Oncol. 2014 Jan 9;9:13.

8. Sekiguchi A, et al J Radiat Res. 2014 Mar 1;55(2):328-33.

9. Kimura T, et al. int J Urol. 2014 May;21(5):473-8.

10. Hayashi N, et al. World J Urol. 2015 Jan 23.

11. Yamada Y, et al. Brachytherapy. 2015 Mar-Apr;14(2):118-23.

12. 坂本直孝他 日本泌尿器科学会雑誌 Vol. 102 (2011) No. 4 p. 621-627

13. Yoshioka Y, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2011 Jun 1;80(2):469-75.

14. Yoshioka Y, et al. Radiother Oncol. 2014 Jan;110(1):114-9.

15. Ishiyama H, et al. J Radiat Res. 2014 May;55(3):509-17.

16. Makino T, et al. Anticancer Res. 2015 Mar;35(3):1723-8.

17. Kita Y, et al. Hinyokika Kiyo. 2012 Jul;58(7):319-24.

18. 鶴崎俊文他 日泌尿会誌 104(3):496~504,2013

19. Koie T, et al. Int J Urol. 2015 Jan;22(1):70-3.


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [17]
  • Taking Abiraterone with Food May Help 

  • 投稿者:角さん
  • 投稿日:2015年 4月16日(木)14時26分59秒
  • 編集済
 
●元になった記事のURL:
http://www.renalandurologynews.com/psa-rising-while-on-abiraterone-taking-it-with-food-may-help/article/406935/

----------------------------------------------------------------------------------------------------
Renal and Urology News 2015年4月2日

アビラテロン(ザイティガ)服用中に上がっていくPSA? アビラテロン(ザイティガ)を、食物と一緒にとれば有効になるかも。


 新しい研究によると、転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)でアビラテロン服用中にPSA の上昇が見られる患者の中には、アビラテロン酢酸エステル(AA:商品名ザイティガ)を食物と一緒に服用すると、PSAの上昇を食い止める可能性がある。
さらには、ザイティガの服薬治療期間を引き伸ばせることも考えられる。

 ノース・カロライナ州のダーラムのデューク大学でアンドリュー・J・アームストロング博士の指導のもと研究者たちは、過去にさかのぼって60人のmCRPC患者を調べた。最初のうちは、食物を取らないでザイティガを服用していたが、PSA の上昇をみた。これら60人のうち19人の患者は食物と一緒にザイティガを取ることに切り替えた。一方残りの41人の患者は食物を取らないでザイティガを服用した。

 食物を取らないでザイティガを投薬するのから食物と一緒に取ることに切り替えて3ヶ月も経たないうちに、ある程度の割合の患者がPSAになんらかの下降が生じたことが、研究の最初の成果だった。

 PSAの上昇が見られるときに、食物と一緒に服用した19人の患者のうち、3人(16%)が、服用の仕方を切り替える前の時点に比べてPSAの下降を示した。

 アームストロング博士の研究グループは、文書の論文に先駆けてオンライン(ネット)で「前立腺癌と前立腺の病気」に発表した。研究者たちは、食物と一緒にザイティガを取ることに切り替えた患者は、服薬治療期間の中央値が、切り替えない患者よりも長くなることを発見した。(切り替えた患者は272日:切り替えない患者177日)

 研究者たちの説明によれば、食物と一緒にザイティガを取ると、CRPCの進行に関係するアンドロゲン合成経路に追加的な酵素の抑制を引き起こすとみている。

 「これらの結果は、期待できるもので、患者の中には、食物と一緒にザイティガを取ることに切り替えると、服薬治療期間の中央値が2~4ヶ月ものびることがある人もいることを裏付けている。そしてこの事実は、もっと毒性の強い療法(注:抗がん剤のことか)への移行を遅らせる」と著者は書いている。

 研究者によれば、以前のケトコナゾールでの治療の効果は、食物と一緒にザイティガを取ることに切り替えてもPSA の下降を経験した患者の割合が低かったようだ。ケトコナゾールはザイティガの作用機序と同様の作用機序を持っている。両薬とも酵素CYP17の媒介する腫瘍内部のアンドロゲン合成をブロックする。この新しい研究では、19人の患者のうち食物と一緒にザイティガを取ることに切り替えた7人(37%)は、治療歴としてケトコナゾールの経験があったが、そのうちの誰もPSAの下降につながった人はいないと研究者は言及している。

掲載者注:
ケトコナゾールは、日本では軟膏(クリーム)でしか売っていない。(1) 白癬(2) 皮膚カンジダ症(3) 癜風(4) 脂漏性皮膚炎 などの皮膚関係の薬として販売されている。が、次のような記事もある。

http://blog.livedoor.jp/tsunoda001/


  • [16]
  • 小線源治療のBEDの計算

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 4月10日(金)17時55分1秒
  • 編集済
 
以前、生物学的効果線量(biologically effective dose;BED)について小線源の場合の計算式についてSANZOKUさんより教えていただきました。

http://6307.teacup.com/cap87090/bbs/5055

「図17の論文に掲載されていそうですが私は見ていません。お探しの式は図21に
載っています」

また、
http://6307.teacup.com/cap87090/bbs/5059
「眞さん。その式は紹介した論文にもう少し詳しい説明があります。t1/2は1hだそうです」

今回、該当の論文で、BEDの一覧の表の値と一致することを確認したので紹介します。
論文はStock RG, et al. Biologically effective dose values for prostate brachytherapy: effects on PSA failure and posttreatment biopsy results. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2006 Feb 1;64(2):527-33.full textです。
その計算式と値についての説明を画像で表示します。

以下に下付の文字は省略して式を書き、リアルタイムによる辺縁配置法&EBRT併用療法のBEDの参考数値の表の値、D90 = 120 Gyの場合で確かめてみます。

なお、 D90 は前立腺体積の90%に照射されている線量とのことです。

BED = (R/λ){1+[R/(μ+λ)(α/β)]}

R=D90*λなので、上記の式は以下のようになります。

BED = D90{1+[D90*λ/(μ+λ)(α/β)]} = D90+D90*D90*λ/(μ+λ)(α/β)

ここで、次の値をいれます。
D90 =120  λ= 0.693/60*24 (hに換算) μ= 0.693 α/β=2

BED = 120+(120*120*0.693/60*24)/(0.693+0.693/60*24)*2 = 124.997

表ではBEDは 125 となっているので、この計算でいい。



  • [15]
  • Brachytherapy: Where Has It Gone?

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 4月 6日(月)18時27分33秒
  • 編集済
 
American Brachytherapy Society (ABS) ガイドラインMartin氏他の論文を紹介しました。Google scholarで論文名で検索し、引用している記事、"Brachytherapy: Where Has It Gone? "をみつけましたので紹介します。

この記事はJournal of Clinical OncologyVolume 33, Issue 9 - March 20, 2015において Comments and Controversies として掲載されたものです。筆頭著者はPetereit, Daniel G.氏です。

Martin氏他の論文では、小線源療法は、National Cancer Data Baseの解析によると2002年に17%でピークに達し、2010年には8%まで着実に低下したとのことです。もうひとつ引用されている SEER database を用いて2004から2009年の約、182,000 人の患者に対して解析した Mahmood 氏他の論文、Declining use of brachytherapy for the treatment of prostate cancer. には以下のように書かれています。

2004年から2009年にかけて外照射単独の治療は 55.8% から 62.0%に増加し、小線源治療は 44.2% から 38.0%に減少した。(小線源単独治療は 30.4% から25.6%に減少し、小線源と外照射併用治療は 13.8% から 12.3%となった)


小線源治療の減少の理由として5つあげられています。

1. ロボット支援全摘手術の増加があげられる。2000年代初期に導入されたロボット支援手術以前には開腹手術が全治療法の44%を占めていたが、それ以降2010年には60%まで上昇している。(上記のMartin氏他の論文による)
2. IMRTやSBRT(体幹部定位放射線治療)や陽子線治療を含む外部照射に関して技術向上があった。前立腺がんに限っていえば、過去10年間、2000年0.15%から2008年95.8%に上る通常の外部照射治療からIMRTへほぼ完璧な移行があった。
3. 制度に関わることなので、省略。
4. 不運な臨床結果に結びつく低品質の小線源治療手順の否定的な報道があった。
5.放射線腫瘍研修医の前立腺がん小線源治療の訓練量が十分ではなかった。


「小線源治療は患者のために最も費用効果に優れた治療であり、尿路症状の副作用も少ない治療である」と書きつつ、以下の文で終わっています。

Unfortunately, current trends in use raise the unsettling prospect that prostate brachytherapy may soon be available in only a few select centers in the United States.


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [14]
  • American Brachytherapy Society (ABS) ガイドライン

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 4月 1日(水)18時31分51秒
  • 編集済
 
小線源治療数上位病院をまとめるためにいくつかの病院のサイトを確認してきました。各サイトの小線源治療の適応は異なっています。
American Brachytherapy Society (ABS)Brachytherapy Guidelinesページよりガイドラインをダウンロードしました。

画像で示す表4に小線源単独か外照射を併用するか、あるいは更にホルモン治療を加えるかリスク分類毎にまとめられています。

このガイドラインは2012年に改訂され、以前のものは1999年制定です。
American Brachytherapy Society (ABS) recommendations for transperineal permanent brachytherapy of prostate cancer.として公開されています。
旧版のfull textもダウンロードしました。

以下のように書かれています。

Brachytherapy as Monotherapy:
Stage T1 to T2a and
Grade Gleason sum 2-6 and
PSA < 10 ng/ml

Brachytherapy as a Boost to EBRT:
Stage Clinical T2b, T2c or
Grade: Gleason sum 8-10 or
PSA > 20 ng/ml

2012年版ではT3aも含まれたということのようです。

Martin氏他 1) はNational Cancer Data Base を用いて米国における小線源治療の割合を見出しました。すなわち、NCCNリスク分類できた2004年から2009年の患者、719,789人の割合は以下のとおりです。

・低リスク  41.1%
・中間リスク 35.3%
・高リスク  23.6%

同論文において次のように小線源の治療数の推移をいっています。
1998年から2010年の患者1,547,941に対する研究で、小線源治療は、2002年に16.7%のピークに到達し、 そして着実に減り、2010年には8%の低さとなりました。

米国においては、高リスクで、小線源治療を選択する人が多いといえます。また、2002年のピークの翌年より日本では小線源治療が始まったということです。

小線源治療数、手術治療数推移 2007年から2013年で2007年から2013年の小線源治療数の推移を見てみました。
必ずしもすべての病院が増えているわけではないことが分かりました。本家の米国においても必ずしも右肩上がりの上昇ではないので、日本においては、やむなしといったところでしょう。

1) Martin JM et al. Cancer. The rise and fall of prostate brachytherapy: use of brachytherapy for the treatment of localized prostate cancer in the National Cancer Data Base. 2014 Jul 15;120(14):2114-21.


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [13]
  • 小線源治療 木村先生の論文

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 3月21日(土)18時48分41秒
 
久々の小線源治療の論文の投稿です。

Mid-term outcome of permanent prostate iodine-125 brachytherapy in Japanese patients.の論文の概要を示します。

・筆頭著者はTakahiro Kimura (木村高弘)先生であり、慈恵医大に所属
・2003年から2010年の患者604人が対象
・低リスク 219人 (36.2%)、中間リスク 361人 (59.8%)、高リスク 24人 (4.0%)
・neoadjuvant治療は 260人 (43%)、adjuvantホルモン療法は45人 (7.5%)、外照射は75人(12.4%)に実施

8年PSA非再発率は以下のとおり
・低リスク  89.9%
・中間リスク 79.4%
・高リスク  52.5%

低リスク/中間リスクと比べて高リスクでのPSA非再発率は低いといえます。

http://flot.blue.coocan.jp/cure/bdfs.html


  • [12]
  • HDR治療、石山先生の論文

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 3月18日(水)18時06分24秒
 
今まで、HDRに関する論文は多くは紹介してきませんでした。
今回、北里大学石山博條先生の論文を紹介します。

High-dose-rate brachytherapy and hypofractionated external beam radiotherapy combined with long-term hormonal therapy for high-risk and very high-risk prostate cancer: outcomes after 5-year follow-upであり、概要は以下のとおりです。

*2003から2008年までの178人(内訳 NCCNリスク分類で高リスク:96人、超高リスク:82人)
*HDRは平均D90 PTV線量: 6.3Gy/1分割 を5回実施、また、外照射は1回3Gy を10回照射(計30Gy)
*ホルモン治療はすべての患者に術前に6か月以上、外照射の後に3年実施

NCCNリスク分類による5年PSA非再発率は以下のとおり。
・高リスク  97.8%
・超高リスク 81.9%

PSA非再発率のグラフは以下のとおり。

PSA非再発率のグラフ

http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [11]
  • Masayuki Kobayashi氏の論文

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 3月13日(金)18時48分24秒
  • 編集済
 
久々にGoogle scholarで2015年以降の期間指定をし、論文、Therapeutic outcomes of neoadjuvant and concurrent androgen-deprivation therapy and intensity-modulated radiation therapy with gold marker implantation for intermediate-risk and high-risk prostate cancer.を見出しました。筆頭著者は小林先生であり、千葉県がんセンターに所属しています。

論文の表題にもあるように、前立腺内に金マーカを埋め込んでのIMRT治療成績の報告です。2001年から2010年までのNCCNリスク分類での中間リスク、高リスク、超高リスクの325人の患者が対象です。

5年PSA非再発率は以下のとおり
・中間リスク 95.9%
・高リスク  87.2%
・超高リスク 73.1%

超高リスク(T3b~T4)に対しての5年PSA非再発率が73.1%というのはいい値だと思われます。


IMRT(強度変調放射線治療)/千葉県がんセンターには「2000年9月からこの治療を開始し、2009年11月までに前立腺癌450例に施行してきた」とのことで、この患者に対してのPSA非再発率は次のように書かれています。

「5年PSA無再発生存率でみますとLow,Intermediate,High Risk groupでそれぞれ93.3%,98%,90%であり、非常に良好な治療成績となっております。」

病院の患者向けウエブサイトの値と論文の値が微妙に違うのは、対象の年度、論文には低リスクの患者が含まれていないこともあるからだと思います。
サイトは患者さんに分かりやすく理解してもらうという第一の目的がありますから低リスクも含めた値で公表していると思われます。


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [10]
  • 断端陽性の予後予測

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 3月 9日(月)20時12分53秒
  • 編集済
 
高リスクに対するTri-Modality療法実施病院一覧で病院のサイトの情報をしらべているときに手術後低リスクの前立腺がん患者はPSMsでも長間期良好な結果が予想できるという横浜市立大学医学部泌尿器科学教室の記事をみつけました。

MedWire(11/24, Guy)リポート:Urology誌に発表されたトロント大学の論文の紹介であり、以下のように書かれています。

「低リスクの前立腺がん患者は根治的前立腺全摘除術(RP)後にPSMs(手術断端陽性)所見であっても長期間の良好予後予測を期待できるようである」。一方、「PSMs所見は中リスク患者または高リスク患者の手術後の生物学的進行のリスクは増大した」。

元の論文はImpact of Positive Surgical Margins After Radical Prostatectomy Differs by Disease Risk Groupです。筆頭著者は Sultan Alkhateeb 氏であり、所属はDivision of Urology, Department of Surgical Oncology, Princess Margaret Hospital, University Health Network, University of Toronto, Toronto, Canada.です。

1992年から2008年の1,268人を対象とした論文であり、書かれているリスク毎のPSA非再発率を以下に示します。陰性、陽性の順です。
・低リスク  99.6% 94.9%
・中間リスク 93.5% 83%
・高リスク  78.5% 57.1%

http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [9]
  • Prostvac 臨床試験状況

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 3月 9日(月)19時27分11秒
 
ロイターに Bavarian sees results of Phase III Prostvac trial by early 2017| Reutersという記事がでていました。

Prostvacのフェーズ3の臨床試験を開始するという記事がでたのは2011年11月のことで、既に3年たったということことになります。日経メディカルの記事では、「今回開始されるランダム化フェーズ3試験には、米国を含めた世界20カ国以上の約300施設が参加する」と書かれていて、次の説明がなされています。

「米国国立癌研究所(NCI)と共同開発されたPROSTVACは、前立腺特異的抗原(PSA)を標的として、2種類(牛痘と鶏痘)のポックス(水疱瘡)ウイルスを用いて作られたワクチン。Vaccinia‐PSA-TRICOME(牛痘)とFowlpox‐PSA‐TRICOME(鶏痘)を月1回ペースで順次皮下投与(プライム・ブースト)することにより免疫反応を誘発して前立腺癌細胞を攻撃する。」

さらに、「フェーズ2試験では、PROSTVAC群ではプラセボに比べ、生存期間中央値が8.5カ月改善した」ということで、かなり効果が期待できるものです。

ロイターによると、2017年のはじめの頃までにはすべての結果がでるということです。臨床試験の説明に書かれている時期として、Estimated Study Completion Date:August 2016 となっているので、少し遅れてはいますが、ま、順調ということだろう。

記事中に書かれているFDAと合意された pre-interim analyses というのは  "Estimated Primary Completion Date: December 2015 (Final data collection date for primary outcome measure) " に関係しているのだろうか。いずれにしろ、1200人が参加した臨床試験もデータ解析の時期に至ったということだろう。

日本は例によって、多分、臨床試験には参加していなくて、FDAで承認されたとしても、日本で承認されるのはかなり先となるだろう。

http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [8]
  • RE:Tri-Modality療法実施病院一覧

  • 投稿者:ひげの父さん
  • 投稿日:2015年 2月26日(木)18時31分0秒
 
 眞さん
ありがとうございます。
参考にはなると思いますが、この試験に参加した施設が、
トリモダリティをやっている施設の全てではないし、
必ずしもAクラスばかりが参加した臨床試験でもなさそうです。
名前が上がってる施設だけでも、かなりの力量差はありそうですね。
これまで私がほとんど意識したこともなく、
まして患者さんに紹介したこともない施設も含まれていますが、
私が知らないだけだったのか、それとも・・・

判定が微妙な施設もあるし、いろいろとややこしい問題を考えると、
勝手にクラス分けをして披露するわけにもいかないので、
今のところ、私にはこのようなリストを公開する勇気はありません。
ただ、お尋ねのあった場合は、地域性も考慮しつつ、
できるだけ安心の出来そうな施設を案内させていただいてます。



  • [7]
  • 高リスクに対するTri-Modality療法実施病院一覧

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 2月25日(水)09時25分49秒
  • 編集済
 
高リスク限局性前立腺癌を有する患者を対象として、ランダム化比較試験の臨床試験が実施されています。6か月のホルモン療法を行った後、小線源、外照射を行い、その後、2年のホルモン療法を行うのと行わない治療との間の評価を行うということです。その臨床試験(TRIP)に関する論文に関して高リスクに対するTri-Modality療法実施病院で、「Acknowledgementsをみると、参加の病院名、先生の名前が分かるので、高リスクでTri-Modality療法を希望する場合、参考になるかと思う」と書きました。

このTRIP論文に載っている病院は高リスクに対してTri-Modality療法を実施していると推定されます。讀賣新聞2015年2月1日、朝刊に掲載された「主な医療機関の前立腺がん治療(2013年実績)」を参照し、絞込んでみました。更に論文に載っていなくとも、(2013年実績)で小線源治療実績の多いところに関して、サイトを確認し対象病院を3件増やし計14件を表記します。関連する論文他の情報もリンクしました。

TRIP論文に記載されていても個人の貢献であろうと思われる黒沢病院、臨床研究情報センター及び実施件数が一桁である東京女子医科大学、群馬大学は対象から外しました。

あわせて、主に新聞の情報を元に小線源治療実施数も表記します。
ただし、新聞の値とサイトの値が異なる場合はサイトの値を採用し、先にサイトの値を記述し次に新聞の値を()内に記述します。
理由はよくわかりませんが、14件中4件も値が異なっているので、新聞のデータの精度はあまりよくないと思います。
例えば、慈恵医大の場合、2012年の141という値が新聞に載っています。


TRIP論文に記載されている病院

論文に記載順に示します。

金沢大学   56

東京慈恵会医科大学  109(141)
 論文:Kimura T, et al. int J Urol. 2014 May;21(5):473-8.

埼玉医科大学国際医療センター  30(77)

国立病院機構 東京医療センター  208
 小線源治療案内(第13版)
 論文:治療成績と再発時の治療

昭和大学  82
 中高リスク症例にも併用療法で優れた治療成績

藤田保健衛生大学  76(77)

奈良県立医科大学  112
 前立腺癌に対するヨード(I-125)シード線源を用いた小線源療法について 第13版
 論文:Tanaka N, et al. Radiat Oncol. 2014 May 6;9:107.

北里大学  103(166)
 論文:Sekiguchi A, et al. J Radiat Res. 2014 Mar 1;55(2):328-33.

徳島大学  63

横浜市立大学  136
 適応症例のチェックシート
 論文:Hayashi N, et al. World J Urol. 2015 Jan 23.

慶應義塾大学  31
 論文:Ohashi T, et al. Radiat Oncol. 2014 Jan 9;9:13.


TRIP論文に記載されていない病院

滋賀医科大学  102
 学会発表:第99回日本泌尿器科学会総会

独立行政法人 国立病院機構 埼玉病院  111
 前立腺癌小線源治療の説明パンフレット(PDF)

長野市民病院  94


サイトのほうに、若干の注を追加したものと、治療数を降順に並べた一覧を掲載しています。

TRIP臨床試験実施病院

順天堂大学
 順天堂大学医学部泌尿器科で行っている臨床研究

臨床試験|岐阜大学医学部附属病院がんセンター

臨床研究 琉球大学泌尿器科

  2014/04/11
  TRIP臨床試験実施病院、北里大学、東京慈恵会医科大学及び横浜市立大学に論文を追記

  2014/04/20
  奈良県立医科大学に論文を追記


http://flot.blue.coocan.jp/cure/


  • [6]
  • GANBA-SETA さんの質問に対する回答への返信

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 2月18日(水)19時09分22秒
 
まず、第一に謝らなければ、いけないのは、GANBA-SETA さんは医学論文すべてを否定されて、各医療機関のサイトの情報が新しいので、信頼すると思っていたことです。

今回、その誤解が解けました。以下項目毎に少し補足します。

1 .PCRSG High-Risk抜粋の件

「手術は避けた方が賢明であることが分かります。」

というのが、手術を勧めないという助言でその根拠としてPCRSGのデータに依拠してのことと誤解していました。

「その印象を記載したという程度」ということが分かりました。

2.医療機関のサイトの情報について
「自分なりに信頼できるデータは、信頼したいと思っています」ということで、一律のお考えでないことが分かりました。

3.PCRSG資料の件
誰でも、アクセスできるデータであれば、読んでみたいと思っての質問です。個別のセミナーで入手されたもので、特に出席しない人にも配布可という条件でしたら、是非、送付願います。


  • [5]
  • 眞 さん

  • 投稿者:GANBA-SETA
  • 投稿日:2015年 2月18日(水)18時00分49秒
 
1 .PCRSG High-Risk抜粋の件
  この資料でも基本的にはバラツキが大きいため、大枠での見方しかできませんが、
  当方が受けましたトリモダリティのデータに、興味がありましたので、
  その印象を記載したという程度です。

2.非再発資料の件
  各医療機関のバラツキがかなり有りそうだと分かってきましたので、
  自分なりに信頼できるデータは、信頼したいと思っています。
  この思いは、今のところは主観的なものですので、
  投稿したり、議論したりする根拠はありません。

3.PCRSG資料の件
  パワーポイントの資料ですが、よろしければ、
  眞さんのHPのEメール先へ送りましょうか。

今の当方の思いは、きっちり計画されて実施された医療統計以外につきましては、
やはりバラツキ(誤差)が大きいと感じていますので、参考までと考えています。

バラツキについては、同じ治療法でも、次のような大きなバラツキが考えられます。
医師に関するバラツキだけでも、例えば、力量のバラツキ、病院間のバラツキ、
団体間のバラツキ、国別のバラツキ等、その他医療機器、医療施設、スタッフ、
法律上の制限、地域別等々、すべてがバラツキの要因ですので、
PCRSGの資料のように、対象を広げるに従って当然バラツキは大きくなり、
大枠でしか分からない資料になりますね。
バラツキを少なくする方法のひとつは、条件を絞って行くことですが、
その意味では、
先生個人のデータはバラツキが小さいデータのひとつと言うことになりますね。

  • [4]
  • 私見ながら・・・

  • 投稿者:ひげの父さん
  • 投稿日:2015年 2月18日(水)17時15分22秒
  • 編集済
 
腺友倶楽部の入会者は90人に達したので、まずは100人!という目標数字も
来月あたりには達成できそうになってきました。

今月に入ってからも10数通のお申込をいただきましたが、
この掲示板の感想を書いてくださった方もあります。要旨はこんなところです。

  ~「腺友ネット」の掲示板は、最近学術っぽいものばかりなので、
    誰もが参加しやすいように配慮をお願いします。~

これは私も懸念していることですが、掲示板(親ボード)をご覧の皆さんは、
前立腺がんに対してほとんど白紙に近い予備知識の方もおられるので、
私以上にそのような印象を受けられているのかも知れません。
「論文・詳細スレッド」というのを立ちあげて、大きな流れとしては
始めての方にも書きこんでいただきやすくしたつもりですが、
このたびの眞さんの書き込みを見て、まだ少し問題点が残ってしまったように感じています。

親ボードに、概要を記すということは守られているようですが、
眞さん自身はお気づきでないようですが、このような「質問」はどこか刃先の尖った印象がありますね。
学術的な論争というのは、それなりの閉じられた社会では正しいことだと思いますが、
多くの方に開かれた掲示板の雰囲気とは、どうも似つかわしくありません。
眞さんのような「質問」にまともに答えようと思えば、かなりの労力を要することは目に見えていますし、
そのやりとりに興味のある方もごく限られてしまうので、いくら由緒正しきやり取りが行われたとしても、
これを嫌がり、煙たがる人のほうが、おそらく多いだろうと思っています。
親ボードでないのが、せめてもの救いですが、「論文・詳細スレッド」というのも、
医療関係者の閉じられた世界ではありませんので、お手柔らかにといいましょうか、
相手にも逃げ道を残すだけの配慮と、ソフトな言い回しは常に必要だと思のです。

私は「前立腺がん:MEMO」に、論文紹介なども(多くは判り易く要約しているつもりですが)
遡ればずいぶんたくさん書いてきましたが、
「エビデンスの不確実な情報や古い情報も混じっています。取り扱いにご注意ください。」
という注記をサイトの冒頭に入れており、
基本的には、異論や質問は受け付けずに、書きっぱなしというスタイルを貫いてきました。
書くたびに、前の記事と食い違うだろうと言われても、適宜ご判断くださいということしかできません。
書く方、読む方、それぞれがそのあたりの機微を承知した上で、お互いが楽な方法を取るのが、
このような掲示板では一番良いのではないでしょうか。
同じ「質問」をするにしても、掲載論文を示すよう回答を迫るというような類のものは、
質問というより「強引なつっこみ」に近いと思っています。
カナダのビーバーさんに対して、このたびのGANBA-SETAさんに対して、これらはすべて
そのあたりの配慮を欠いているのではないでしょうか。
「・・・に対し、私はこのように思う。」で留めるべきと思いますがいかがでしょうか。


  • [3]
  • 医療統計データについて GANBA-SETA 様への質問

  • 投稿者:
  • 投稿日:2015年 2月18日(水)12時59分42秒
  • 編集済
 
GANBA-SETA 様 「「非再発率統計の整理」読みました」の投稿、興味深く読みました。
これに関連して何点か質問があります。お答えいただければ、幸いです。

>過去の治療実績に基づいた統計データの解析で、有意差があったとしても、
>昨今の医療技術の進歩に合わないことも多く、

と書かれていますが、過去の投稿と若干矛盾するところあるかと思い質問いたします。

PCRSG High-Risk抜粋
http://6307.teacup.com/cap87090/bbs/5234

では以下のように書かれています。
「日本でも同様でしょうが、各治療とも施設、グループ間のバラツキがかなりあります。やはりハイリスクになれば、「EBRT+Seede+ADT」(トリモダリティ)の成績が良く、手術は避けた方が賢明であることが分かります。

ハイリスクであっても、トリモダリティのトップクラスの実績では、非再燃(非再発)は、10年越えで90%を上回っています。」

PCRSGのデータは私が
http://6307.teacup.com/cap87090/bbs/5382

に投稿しましたように査読有の学術誌に掲載された論文のメタデータ解析です。(サイトのほうは2000年から2012年、論文は2000年から2010年の論文)
このデータに準拠し、トリモダリティの優位性をいっているのは先の発言と少し違うかなと思いました。

先の引用の後、こう書かれています。
「罹患者が、一般に公開されている過去の実績に基づく医療統計を利用する意味としては、今から治療を受けようと思う病院で、この医療統計データより、どれくらい進歩した治療を受けることができるのかを、確認するのに使うことぐらいではないでしょうか。」

「PCRSG High-Risk抜粋」の投稿時は論文のデータの意義をある程度認められていて、その後、考えが変わられたのでしょうか。
そうでないとしたら、10年以上前の古いデータのメタデータ解析を元に治療法の選択の参考の投稿、あるいは「医療統計を利用する意味」はないけれど、参考までの投稿となり、不思議な感じです。

もうひとつの質問は医療機関がサイトに出しているPSA非再発率の値、あるいはPSA非再発率のグラフ等の治療成績に関しては、どのようにお考えですか。
論文より新しいので、信頼できるとお考えですか。

最後に「PCRSG High-Risk抜粋」 でアップしたデータ、「元資料はGrimm先生(Prostate Cancer Center of Seattle)の、パワーポイントの資料で、36枚あります」とありますが、一般公開されているものでしょうか。もしそうならば、URLを教えてください。参考に是非読んでみたいとおもいます。

紙のデータのみしかないということでしたら、多分、セミナー等に出席され、獲得されたものだと思いますので、セミナー名、日時などをお教えいただければ、幸いです。

以上、GANBA-SETA 様「PCRSG High-Risk抜粋」投稿時に確認すべき質問も含まれていますが、ご回答願います。


  • [2]
  • 「非再発率統計の整理」読みました

  • 投稿者:GANBA-SETA
  • 投稿日:2015年 2月18日(水)09時15分44秒
  • 編集済
 
「再発統計の整理」読ませていただきました。
よくまとめられていて、分かりやすかったです。
仰る通り、罹患者サイドからすれば、「非再発率統計」を含めまして、
医療統計から得られるものは少ないですね。
なぜかな、と考えますと、医療統計は医療関係向けに作成されており、
決して患者サイドに立って作成されていないからだと思いますね。

一部の無感情な医師が「この状態だと、5年もつかどうかですね。」と、
言うセリフや、標準治療では云々、というセリフの根拠として、
責任回避のように使われることもありますよね。

きっちり計画されてとられたデータ以外の医療統計は、
かなりの誤差(バラツキ)を含んでいるものと考えて間違いないですね。
本来はプラス・マイナス何年とか、プラス・マイナス何%と、範囲を表記すべきですが、
一般に公開されている資料は、表記されていないことが普通ですね。
また、有意差を出すために、誤差(バラツキ)を小さくする条件を探し出そうとして、
本来実施されている治療条件から、いくつもの条件をはずし、
やっと有意差を出して、発表されている論文もありますね。

この様な論文作成のための医療統計は、
本来実施されている治療とはかけ離れたものになり、患者サイドからすれば、
今時は、そのような治療を受けることがないので、何の意味もありませんよね。

また、過去の治療実績に基づいた統計データの解析で、
有意差があったとしても、昨今の医療技術の進歩に合わないことも多く、
罹患者が、一般に公開されている過去の実績に基づく医療統計を利用する意味としては、
今から治療を受けようと思う病院で、この医療統計データより、
どれくらい進歩した治療を受けることができるのかを、
確認するのに使うことぐらいではないでしょうか。

では、罹患者サイドから見て信頼できる医療統計データは、
どうすれば得られるのかと考えますと、
信頼できる医療機関や先生にめぐり合え、そこで示された、その病院あるいは先生の、
実績が、罹患者が得られる一番誤差(バラツキ)の少ない医療統計ということになりますね。

その信頼できる病院や先生はどのようにして見つけると良いのでしょうか。
というところに、
「腺友ネット」や罹患者が立ち上げているHPの生の声が、役立っていると思いますね。



  • [1]
  • 非再発率統計を整理してみました

  • 投稿者:moto
  • 投稿日:2015年 2月16日(月)20時54分0秒
 
 非再発率の統計に関する情報提供、データ解釈、統計手法の精査等々、内容的にかなり専門的かつ高レベルの話題のため、全てを理解することはできませんでしたが、私なりに勉強をさせて頂き、大いに知見を深めることができ感謝しています。「論文・詳細スレッド」が新たに立ち上がり、親掲示板を賑わせていた医療統計の話題もそろそろ一段落つきつつある感じがしています。そこで、私なりに今一度、話題を整理してみました。

(1) 感想:根治率や治癒率ではなく、例えば「5年非再発生存率」という言葉や定義を用いざるを得ないこと自体、癌が手強い相手であり、現状の癌治療技術・医学が癌克服への道未だ半ばであることを痛感しています。
(2) 非再発率統計の利点:(i)各医療機関・医師の治療レベルの「現状」を客観的に把握できるため、我々癌患者は適格な医療機関・医師・治療法を選択できる、(ii) 商目的あるいは業績目的で、各医療機関・医師は統計データを有効に活用できる。
(3) 非再発率統計の欠点: (i)上記(2)(i)項の反意として、我々は、最適医療機関・医師・治療法選択で右往左往し、ある意味での癌難民になりかねない、(ii)上記(2)(ii)との関連で、医療機関・医師がポイントアップを狙い、人為的な統計操作をする疑いが無きにしもあらず(データの信頼性・捏造)、(iii)非再発率統計は現状の「医療技術のレベル」を統計的に表現しているだけであり、「医学」の進歩への貢献に資するものではない。さらに、治療の選択・代替え医療・副作用等で日々深刻な問題に直面している我々掲示板を利用する多くの罹患者にとっては、非再発統計の数値から得る物は極めて少ない。

 「医学と医療」は「理学と工学」に似ており、前者(医学、理学)は「何故?(Why?)」に対する答えを探すことにより進歩発展する。一方、後者(医療、工学)は「どのようにして?(How?)」を基本理念として進歩発展する。医療現場においては「何故?」への答えが見つからなくても、「経験と工夫(How)」により患者を治癒できれば、それでOK!!

(4) 非再発率統計における疑問(Why?): 話を簡単にするために「100名の高リスク患者に治療を行った結果、5年後非再発率が80%であった、すなわち、5年後に20名が不幸にして再発してしまった」と仮定し、以下に私が抱いている疑問を整理しておきます。(i) この20名が5年後に再発する運命にあることが治療直後に(暗に)確定してしまっているのでしょうか? そうとは思えないのですが… (ii)高リスク群に限定しての治療にもかかわらず、何故(Why)、ある患者には再発がなく、別のある患者には再発があるのでしょうか? (PSA値、GS、病期、リスク等を用いた、この疑問に対する医学的(科学的)明快な回答は未だ無いと思います)[注:ホルモン療法を継続した際に問題となる「再燃に至る期間」も個人差が大きく、GS>8の高リスク患者でも、10年以上に渡り再燃に至ることの無いケースも多々報告されています。再燃期間に関するこの大きな「個人差」についても、未だ明確な科学的(医学的)根拠が示されていない]、(iii)治療から5年の間で、どのような要素が、再発・非再発を左右するのでしょうか?  治療後の個々人の生活様式、食生活、精神状態(交感神経・副交感神経のバランス)、B/T/NK/NKT細胞等の免疫系、人種、等々の個人差が再発・非再発や再燃に大きく影響を持つと思うのですが・・・。
(5) 非再発率に関する医療統計情報は、患者にとって、医療機関の選定等、受動的(受け身)な作用しかありませんが、上記の疑問に科学的なメスを入れることができれば、個々の患者・医師は、これらの情報・知見を基に能動的に行動することにより、たとえ「現状の医療技術レベルでの非再発率が80%」であっても、この数値を有意に高めることができると確信しています。

 テストステロン欠乏により生じるアンドロゲン産生前立腺癌への変異やCYP17酵素阻害機序に関する知見、そして、これらの知見に基づき開発されたアビラテロン(ザイティガ)等新薬の登場は、従来の前立腺癌治療にパラダイムシフトを起こしつつあるとも言われています。前立腺癌の再発・再燃機序に関する医学的・科学的研究成果の進展とこれに基づく新薬・新医療技術が、これからの数年で大きく進展するであろうことを期待すると共に確信しています。